植毛はなんで後頭部の毛髪を使うの?植毛のメリットまとめ

髪の毛は、毛根の内側に存在している毛乳頭細胞という部分が栄養素を吸収することにより、毛母細胞が分裂して成長します。この状態は成長期と呼ばれており、男性であれば2年から4年、女性の場合は3年から6年続きます。そして、毛母細胞が分裂する頻度が低下する退行期という状態になり、休止期に移行すると髪の毛は寿命となり抜けることになります。ただし、再び成長期に移行するので、抜けっぱなしというわけではなく生え変わることになります。この様に、成長期・退行期・休止期と移行することをヘアサイクルと呼んでいます。このヘアサイクルが正常な状態をキープしていれば、薄毛が進行することはありません。しかし、男性の場合は約30パーセントの確率で薄毛になってしまいます。これは、男性ホルモンのテストステロンが変化した物質DHTが原因です。この物質が、毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結び付いた場合は、皮脂の分泌量が過剰となりヘアサイクルが狂わされてしまいます。2年から4年続くはずであった成長期が、半年程度にまで短縮されることになります。この結果、髪の毛は十分に成長することはないので、短い状態のまま抜け落ちてしまいます。このDHTの生産に関与しているⅡ型の5α還元酵素は生え際から頭頂部にかけての毛根に分布しています。このために、男性の薄毛はこの部分に集中するのが特徴で、後頭部は正常な状態を保っているケースが多く見られています。この後頭部の健康的な毛根を薄毛部分に移植するというのが、自毛植毛という治療法です。後頭部の毛根組織には、男性ホルモンのテストステロンを変換するⅡ型の5α還元酵素ではなく、Ⅰ型が分布しています。このために、健康的な状態が保たれているので、移植先で定着しさえすれば毛根内部の毛母細胞の分裂により再び髪の毛は成長することになります。成長した髪の毛は自身のものであり、かつらや増毛とは異なり洗髪や散髪は思いのままです。自毛植毛のメリットは、成功率が高いということだけではありません。自分自身の毛根組織を移植するので、人口毛とは異なり拒否反応やアレルギーなどの副作用に見舞われることはありません。つまり、安全性が高いということであり、技術力がしっかりとしたクリニックで施術を受けさえすれば、トラブルに見舞われる危険はありません。このために、皮膚科学の社団法人である日本皮膚科学会では、自毛植毛は推奨できる方法と認定しています。

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